サッカーを通して養いたい、前向きに生きるための力「楽観性」と「折れない心(レジリエンス)」
皆さんこんにちは! サカママコラム第3回目の今回のテーマは、「楽観性」と「折れない心(レジリエンス)」についてです。
これらは、困難を乗り越えながら持続的な幸福感を得るために重要な要素であることが、ポジティブ心理学の科学的なアプローチで立証されていますが、トップアスリートも共通して持っている重要な特性でもあることが、多くのスポーツ心理学的研究によって裏付けられています。
たとえば、子どもが強い相手や格上のチームと対戦して負けたとき、「どうせ勝てない相手だし、やっぱり無理だったよ。うちのチームとは何もかも全然違うんだ」と、弱気なコメントが出てくるかもしれません。しかし“楽観性”と“レジリエンス”が育っていれば、「負けてすごく悔しいけど、どうすれば勝てるかわかったよ。次は負けないぞー!」と言うことでしょう。
(※レジリエンスとは、ポジティブ心理学では、竹のような「回復力」・テニスボールのような「弾力性」・タンポポのような「適応力」の3つの特徴で説明される、逆境を乗り越える力のことです)

生まれつきではなかった「楽観性」と「レジリエンス」
これらは脳科学と心理学の長年にわたる研究によると、「生まれつき持っているかどうか」の才能ではなく、「誰でも練習によって高めることができる筋肉のようなスキル」であると結論づけられています。そして、サッカーなどチームスポーツは、それらを育む絶好の機会であることがわかってきました。
「楽観性」と「レジリエンス」の関係
この2つの要素は、からだの中では、どのような関係性なのでしょうか? サッカーのポジションに例えてみていきましょう。
楽観性(土台):DF / ゴールキーパー
役割: 「安心感の提供」
解説: 「失点しても、まだ取り返せる」「自分たちの守備陣は信頼できる」という安心感があれば、チームはチャレンジや攻撃に専念できます。子どもの心の土台部分に「何があっても大丈夫」という楽観性の土台が築かれれば、思い切って前を向いて生きていくことができます。
レジリエンス(切り替えスイッチ):MF
役割: 「相手の攻撃の無力化」と「攻撃への起点」
解説: 攻守の切り替え。逆境をしなやかに跳ね返し、前に進む動力源。試合中、最もボールに関わり、何度も攻守が入れ替わる激しいエリア。奪われてもすぐに奪い返す(回復力)、相手のプレスをいなす(弾力性)、展開に合わせてポジションを変える(適応力)。心の中に強いレジリエンスを持っていれば、どんな逆境からも自力で這い上がれます。
アサーション・リーダーシップ(攻撃スキル):FW
役割: 「得点力」と「勇気の源」
解説: 相手ゴール前で「自分にパスを出して!」と要求し、自ら責任を持ってシュートを打ちゴールを決めきる。この“自分を表現する力(アサーション)”と“周囲を牽引する力”は、強固なDFとMFの支えがあって初めて発揮される、勝利を決めるための最終スキルであり、チームの士気を高めるエネルギー源です(今回のテーマは、「楽観性」と「レジリエンス」ですので、このパートは次回以降で詳しくお話ししたいと思います)。

育てるためのポイント
ご家族の方々が、これら2つの要素を子どもの心に植え付け育てるためのポイントは以下の2点です。
・順番を意識する:具体的な関わり方については次の章でお話ししますが、先ほどポジションの例でご説明したように、まずは土台である「楽観性」の育成が先になります。そしてある程度楽観性への変化の傾向が見られ始めたら、同時にレジリエンスの取り組みを始めましょう。
・親の姿勢が鍵:“子どもを変える/育てる”、その前に親が「楽観性」というあり方と「レジリエンス」をいつも体現していることが大切です。
子どもへの働きかけの前に、家族の意識改革を行う
・家庭環境を“楽観性”で満たす:子どもは家庭の雰囲気や会話に敏感なものです。周囲の人間は、お互いを尊重し合い、前向きなムードを常にキープするように工夫しましょう。
・“レジリエンス”の代表的な手法である“リフレーミング”が自然に使われている:“リフレーミング”とは、ビジネスにも導入されている、出来事の解釈を変える心理手法です。失敗やうまくいかなかったことを体験したときに、それによって良かったこと、得られたことのほうに着目します。
リフレーミングの例
(親)「今日の試合は負けちゃったけど、負けたことで逆に良かったなぁ、っていうことを考えてみて?」
(子)「え? 負けて良かったこと? そうだなー、自分たちに何が足りないのかがよくわかったことかな」
(親)「今日の試合は、ピッチに立てなかったけど、ずっとベンチから見る、っていうのを経験して、どんなことが得られた?」
(子)「そうだなぁ、『自分だったらこうするのに』っていう場面がいくつもあったよ。たぶんその場にいたらわかんないと思うけどね」
このような対話を重ねることで、子どもは出来事を前向きに解釈する力を身につけていきます。

まとめ
“楽観性”と“レジリエンス”は、人生を前向きに生きるための力です。日々の関わりの中で少しずつ育てていくことができます。本コラムが、心穏やかな家庭づくりのヒントとなれば幸いです! 最後までお読みいただきありがとうございました。