【SPECIAL INTERVIEW】小島亨介(柏レイソル) 『最後の砦、その責任と誇り』
J1の舞台でゴールを守り続けるGKは、何を考え、ピッチに立つのか。
柏レイソルの守護神・小島亨介選手に、GKというポジションの魅力や成長を支えた考え方、そして愛用するグローブへのこだわりについても語ってもらった。
GKというポジションの魅力
──小島選手にとってGKとはどんなポジションですか?
「やっぱり特別なポジションですね。手が使える唯一のポジションですし、求められるプレーもフィールドプレーヤーとは全然違います。GKは体全体を使ってゴールを守るので、サッカーをあまり知らない人が見ても迫力を感じてもらえると思います。そういう意味では、他のポジションとは違う魅力がありますね。
また、ゴールシーン以外で会場が一番沸く瞬間って、GKのビッグセーブだと思うんです。体を張ってゴールを守ることで歓声が起きたり、流れを変えたりできる。そういうところはGKならではの魅力だと思っています」
──GKを始めたきっかけは?
「小学校1年生からサッカーを始めたんですが、最初はGKではありませんでした。5年生くらいのときに、試合の合間の時間でGKをやってチームメイトのシュートを受けるのが好きだったんです。それを見ていた当時のコーチから『GKとして地区選抜を受けてみないか』と声をかけてもらい、受けてみたら合格して、そこからGKとして活動するようになりました。
当時はクラブチームではフィールドプレーヤー、地区選抜ではGKという形だったので、ある意味“二刀流”でしたね。最終的には中学に上がるタイミングでポジションを決める必要があったので、そのときにコーチとも相談して、『GKで上を目指そう』と自分で決断しました」
──GK一本で勝負しようと思えた理由は何だったのでしょうか?
「当時は正直迷っていました。フィールドプレーヤーでいくのか、GKでいくのか、どちらが自分に向いているのか考えていました。ただ、GKをやっている中で反射神経には自信がありましたし、そこは自分の武器になるんじゃないかという感覚がありました。最終的には自分で決断して、『GKで勝負する』と覚悟を決めたことを覚えています」

J1守護神のGK論
──小島選手が考える「良いGK」とは?
「今は本当に何でもできなければいけないと思っています。シュートストップはもちろんですし、クロス対応、ビルドアップ、コーチングなど、いろいろな局面で高いレベルのプレーが求められます。攻守両面でチームに貢献できなければいけない時代ですし、どの局面でも安定して高いパフォーマンスを発揮できることが、良いGKの条件だと思っています」
──現代GKに求められるものは変わったと感じますか?
「僕がプロになった頃には、すでにそういうサッカーになっていました。GK練習の中でも攻撃の部分を磨くトレーニングはたくさんありましたし、今も本当にいろいろなことを求められています。その分、毎日が刺激的ですし、成長できる要素もたくさんあります。ただ、やるべきことも多いので、整理しながら積み上げていくことが大切だと思っています」
──プロ入り後、苦労したことや挫折した経験はありますか?
「最初は本当にレベルの高さを感じました。今振り返ると、プロ入り直後の数年間はフィジカル面やスピード感、戦術理解など、多くの部分で苦労しました。シュートスピードも速いですし、当時は今よりさらに線が細かったので、フィジカル面でも足りない部分が多かったと思います。
大分トリニータ(当時J1)で迎えたプロ1年目はリーグ戦に出場できず、カップ戦も数試合のみでした。実力不足を痛感したシーズンだったと思います。J1のGKが当たり前のようにスーパーセーブを見せる姿を見て、『自分もあれくらいやらなければチームの勝利には貢献できない』と感じていました。 ただ、その中でも練習で積み重ねていけば必ずチャンスは来ると信じていました。自分にできることを続けてきたからこそ、今こうしてできることが増え、チームの勝利に貢献できる場面も増えてきたと思います」
──環境が変わったときに意識していたことはありますか?
「まずは量をこなすことですね。環境が変わったら、まず慣れることが大事だと思っています。そのためには量を確保する必要があります。
ユースに入ったときも、大学に入ったときも、プロになったときも同じでした。最初はどうしても上級生や先輩との間に差があります。その差を埋めて、最終的に追い越していくためには量をやらなければいけない。だから環境が変わったときほど、量をこなすことを意識していました。振り返るとプロ1年目はかなりやっていたと思いますし、その積み重ねが今につながっていると思っています」
──今も成長を続けるために意識していることはありますか?
「プロとして試合に出ている今でも、成長するためには練習が必要だと思っています。チーム練習はもちろんですが、それ以外の時間も大切です。フィジカルトレーニングをしたり、自主練習をしたり、自分の身体と向き合う時間をしっかり作っています。
ただ、ケガやコンディションとのバランスも重要です。どれだけトレーニングをしても、ケガをして試合に出られなくなってしまったら意味がありません。だからこそ、ケガをしない範囲でしっかり追い込みながら、身体のケアや栄養管理も徹底する。長いシーズンを通して高いパフォーマンスを維持することが、プロにとってはとても大切だと思っています」

成長のベースを築いた高校・大学時代
──高校時代はどんな選手でしたか?
「体は細かったですが、テクニックの部分には自信を持っていました。同年代の中では、足元の技術やプレーの精度には手応えを感じながらプレーしていたと思います。
高校時代(名古屋グランパス U-18に所属)にはトップチームの練習にも参加させてもらいましたが、そのときは本当にレベルの違いを感じました。パワーもそうですし、技術もそうですし、プロの選手は無駄な動きがないんです。どっしり構えていて、GKというポジションをしっかり理解しているなと感じました。同年代の中では自信を持っていましたが、トップの世界に触れたことで、まだまだ足りないと実感しましたね」
──高校時代に身についた習慣で、今につながっているものはありますか?
「自己分析する習慣ですね。高校時代のGKコーチが、プレーがうまくいかなかったときに『なぜできなかったのか』をすぐ聞いてくれる方だったんです。もし答えられなかったら、“ちゃんと考えてプレーしていない”ということになる。その経験から、なぜできたのか、なぜできなかったのかを常に考えるようになりました。
特に大事なのは考えるスピード感です。できなかったプレーをそのままにしてしまうと、頭の中にずっと残ってしまいます。でも、その場で原因を整理できれば、次のプレーや次の練習で改善につなげることができます。そういう習慣が身についたことで、メンタルも安定したと思いますし、今の自分のベースになっていると思います」
──高校生年代で成長するために大切なことは何だと思いますか?
「まずは量をしっかり確保することが間違いなく大事だと思います。ただ、量だけではなく、考えながらプレーすることも同じくらい大事です。なぜできたのか。なぜできなかったのか。それを自分なりに整理することが大切です。もし自分だけでわからなければ、コーチやチームメイトに聞くのもいいと思います。客観的な意見をもらいながら整理して、次のトレーニングで改善する。その積み重ねが成長につながると思っています」

──高校卒業後、早稲田大学進学を選んだ理由を教えてください。
「名古屋グランパスのトップチームに昇格できなかったことが、大学進学を決断したきっかけでした。進学先はいくつかお話をいただいていたのですが、当時は大学サッカーについて詳しく知っていたわけではありませんでした。
正直、一緒にプレーしていた仲間と同じ大学に行きたいという気持ちもありました。ただ、大人の方々と話をする中で、『サッカー選手だけが人生じゃない』という話をしていただいたんです。早稲田大学はサッカーだけでなく、人としても成長できる環境がある。そういう話を聞く中で、自分に足りない部分を伸ばせる場所だと思い、進学を決めました」
──大学4年間はどんな時間でしたか?
「本当に濃い4年間でした。そして、一番感じたのはやはり『サッカーだけ成長できればいいというわけではない』ということです。大学では主体性が求められます。自分で考えて動かなければ成長できない環境でしたし、サッカー部の運営や分析なども学生主体で行っていました。GKコーチも常駐ではなかったので、自分たちで考えて取り組む必要がありました。最初は大変でしたが、その経験を通して人間力は大きく成長できたと思います。
また、そうした環境の中で、サッカーが当たり前にできるわけではないということも学びました。今も多くのスタッフの方々に支えられてプレーしていますが、その感謝の気持ちは大学時代に強く育まれたと思います。高校までの自分と大学卒業後の自分は、本当に別人なくらい変わったと思いますね」
──学生時代の経験を経て、今の高校生に伝えたいことはありますか?
「まずは感謝の気持ちを忘れないでほしいです。今サッカーを続けられているのも、親御さんや指導者の方々、周囲のサポートがあってこそだと思います。その感謝を忘れないこと。そして謙虚さを持ち続けること。それがすごく大事だと思っています。謙虚さがあれば、自分はまだ成長できると思えますし、向上心を持ち続けることができます。
そして取り組み方としては、やはり考えながらチャレンジすることですね。僕自身、好奇心旺盛なタイプなので、いろいろなことを試します。その中で自分に合うものは続ける。合わないものはやめて、また新しいものに挑戦する。その繰り返しです。今は情報が本当に多い時代ですが、まずは自分でやってみることが大事だと思います。自分の感覚を大切にしながら、たくさんチャレンジしてほしいですね」

守護神のこだわり
なぜ小島選手はuhlsportを選ぶのか?
──uhlsportとの出会いを教えてください。
「昔から大好きなメーカーでした。小さい頃から使っていましたし、いつかまたご縁があれば使いたいと思っていました。そういう中でサポートしていただけることになり、本当にうれしかったですね」
──uhlsportの魅力はどんなところにありますか?
「まずパーム(ボールをキャッチする手のひら部分の素材と構造)の質感が素晴らしいです。キャッチする部分なので、GKにとって一番重要な場所だと思っています。グリップ力と耐久性の高さは大きな魅力ですね。
さらに、uhlsportにはいろいろな種類のグローブがあるので、自分に合ったモデルを見つけやすいんです。細かい部分まで研究されて作られていることもすごく感じますし、選手として信頼できるメーカーだと思っています」

──高校生GKがグローブを選ぶ際のポイントはありますか?
「まずは自分が何を重視するかを考えることだと思います。フィット感なのか。少し余裕のある着け心地なのか。サイズ感なのか。縫製の違いなのか。グローブは本当に繊細で、少し違うだけでもキャッチの感覚が変わります。スポーツショップなどで実際にいろいろ試着して、自分の感覚に合うものを探してほしいですね」

小島選手が着用しているのは
「ファングマシーネZNEアブソルートグリップハーフネガティブ」


¥19,360(税込)
品番:1011415
■ PALM:アブソルートグリップ
■ FINGER CUT:ハーフネガティブ
■ SIZE:7/8/9/10
■ COLOR:フローレッド×ホワイト×フローイエロー
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写真/野口岳彦